現金過不足の決算整理仕訳をわかりやすく解説(応用問題)

決算関連

前回の記事で現金過不足の決算整理仕訳をやりました。

今回はその応用問題編ということで、少し難しいですが挑戦してみて下さい。

前回は問題を4つやりましたので、今回は5つ目からです。

現金過不足の決算整理仕訳⑤(原因が一部判明、一部不明)

【問題5】
決算において現金過不足の原因を調査したところ、70円は売掛金回収の記入漏れであることが判明した
が、残額は不明であった。

少し複雑な問題だと思いますが、自分で考えたい方は下を読む前にどんな仕訳になるか考えてみて下さい。

では、答えを表示します。

どうでしょう?

解けたでしょうか?

まず、前回の記事でしつこいぐらい言いましたが、現金過不足の決算整理仕訳では、まず真っ先に現金過不足を消滅させてください。

ってことで、まずは借方に現金過不足100円

そしてその後、記入漏れとなっていた売掛金回収70円の仕訳をしますので、貸方に売掛金70円

最後に、残額は不明とのことなので、貸方に雑益30円

手順をまとめると、

  1. 借方に現金過不足100円
  2. 貸方に売掛金70円
  3. 貸方に雑益30円

という順番で仕訳を書くのが最もスムーズです。

雑益30円の意味としては、原因不明の儲けが30円ということです。

どういうことかと言うと、まず、決算整理前の現金過不足が貸方に100円あるということは、期中において以下の仕訳を行ったということが分かります。

この仕訳はどんな意味の仕訳かというと、現金の帳簿と実際を比べたときに、実際の方が100円多い、しかし原因が分からない、という意味です。

つまりこの時点では、『なぜか知らないけど100円得してしまっている』、みたいな感じなわけです。

しかしまだ期中なので、現金過不足として保留にしておいたのです。

そして決算を迎えたのが今回の問題となります。

決算で再度ズレの原因を調査したところ、うち70円は売掛金回収の記帳漏れであることが判明しました。

なので、期中での『なぜか知らないけど100円得してしまっている』のうち、70円は原因が分かったわけで、原因不明なのは残額の30円という状況になったわけです。

だから、『なぜか知らないけど30円得してしまっている』という状況に変わったと言えるのです。

よって最終的には、原因不明の儲けが30円という記録になるのです。

ってことで雑益30円となります。

現金過不足の決算整理仕訳⑥(原因が一部判明、一部不明)

では次の問題です。

【問題6】
決算において現金過不足の原因を調査したところ、60円は通信費の記入漏れであることが判明したが、残額は不明であった。

では、下に答えを表示しますね。

まずは、毎度のことですが現金過不足をゼロにする仕訳をします。

よって現金過不足を貸方に80円。

そしてその後、原因が判明した通信費60円を借方に仕訳します。

で最後に、残額は原因不明なので差額の20円を雑損にすれば終了です。

手順をまとめると、

  1. 貸方に現金過不足80円
  2. 借方に通信費60円
  3. 借方に雑損20円

という順番で仕訳を書くのが最もスムーズです。

なお、雑損20円の意味としては、原因不明の損が20円ということです。

どういうことかと言うと、まず、決算整理前の現金過不足が借方に80円あるということは、期中において以下の仕訳を行ったということが分かります。

この仕訳はどんな意味の仕訳かというと、現金の帳簿と実際を比べたときに、実際の方が80円少ない、しかし原因が分からない、という意味です。

つまりこの時点では、『なぜか知らないけど80円損してしまっている』、みたいな感じなわけです。

しかしまだ期中なので、現金過不足として保留にしておいたのです。

そして決算を迎えたのが今回の問題となります。

決算で再度ズレの原因を調査したところ、うち60円は通信費の記帳漏れであることが判明しました。

なので、期中での『なぜか知らないけど80円損してしまっている』のうち、60円は原因が分かったわけで、原因不明なのは残額の20円という状況になったわけです。

だから、『なぜか知らないけど20円損してしまっている』という状況に変わったと言えるのです。

よって最終的には、原因不明の損が20円という記録になるのです。

ってことで雑損20円となります。

現金過不足の決算整理仕訳⑦(原因が一部判明、一部不明)

ではでは、さらに難しい問題いきます。

【問題7】
決算において現金過不足の原因を調査したところ、90円は通信費の記入漏れであることが判明したが、残額は不明であった。

では、下に解答を表示しますので、自分で考えたい方はこの先を読む前に考えてみて下さい。

答えを表示します。

耳タコかもしれませんが、まずは現金過不足を消滅させてください。

ってことで、貸方に現金過不足80円。
これは絶対です。

次に、問題の指示通り、借方に通信費を90円と記入。

で、そうすると貸方側に差額が10円生じます。

これは原因不明ということです。

貸方に差額が生じているので雑益を10円。

手順をまとめると、

  1. 貸方に現金過不足80円
  2. 借方に通信費90円
  3. 貸方に雑益10円

となります。

このように機械的にやっても問題ありません。

ただ、この仕訳を意味合いを理解したい人にために、『雑益10円』の正体について説明します。

まず、決算整理に現金過不足が借方に80円あるということはどういうことなのかを考えてください。

期中にどんな仕訳をしていたのかを想像しましょう。

期中に、

という仕訳をしていたことが想像できます。

期中では、『なぜか知らないけど実際の現金が80円少ない』という状況だったわけです。

なのでこのままいくと、決算では雑損が計上されそうな流れなわけです。

しかし、決算で大逆転が起こります。

なんと、通信費を90円も計上漏れしていたことが判明したのです。

この90円というのがポイントで、元々の現金のズレであった80円を超えてしまっています。

こうなると、「むしろ10円得してね?」ってことになるわけです。

元々は現金の実際額が80円少なくて困っていた。

「どうしよう、80円どっかいっちゃったかな、、、」

みたいな。

しかし、決算で通信費の記入漏れが90円発覚した。

ということは、本当は現金の実際額が90円少なくてもよかったとも言えるわけです。

実際の現金が90円少なくてもよかった。

しかし80円のズレで済んでいるという解釈が成り立ちます。

通信費の記入漏れ90円という事実がもたらした大逆転です。

これ、通信費が90円ではなく80円だったらちょうどよかったんですよ。

通信費が90円ではなく80円の記入漏れだったら、雑損も雑益も出ずにぴったりだった。

しかし、通信費の記入漏れは90円だったため、

「80円現金が足りない、やばい、、、」

から、

「あれ?なぜか10円現金が多いぞ?よくわからんがラッキー!」

に変わったわけです。

だから雑益10円となるのです。

ちなみに通信費が90円ではなく70円の記入漏れだったら、反対に雑損10円が決算で計上されますからね。

現金過不足の問題は頭の中がごちゃごちゃになってしまいやすいところもあるんですが、分かるようになってくると、どんなパターンがきても怖くなくなります。

僕のブログだけでもかなりの問題数を実施できますので、今回のこの記事と前回の記事を繰り返し読んでください。

まぁ、どうしても意味合いの理解ができそうもない場合は、機械的に解いてしまうのも有りだとは思いますけどね。

それでは今回の記事は以上になります。

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