簿記の質問をされて教えるときに僕が気を付けていること5つ(簿記3級)

その他

今回は、簿記を教えるときに僕が気を付けていることについてお話しします。

僕は現役の簿記講師ですので、受講生の方から簿記について質問されることは毎日のようにありますし、YouTube でも簿記の解説をしているので、

「簿記を教えてほしい」

と言われることはしょっちゅうです。

また、ネットを通じて簿記を教える活動もしているので、今まで数え切れないくらいの簿記の質問を受けてきました。

それらの経験を通して、人に簿記を教える際に常に心がけておかなければならないと確信していることがあります。

いや、これは簿記に限らず、人にモノを教えるとき全般で重要なことかもしれません。

それについて5つお話しします。

〈1〉まずは質問をじっくり聞き、ズレが生じるリスクを消す

一つ目は、相手が質問したい内容を正確に把握することです。

  • 何を質問したいと思っているのか
  • 疑問の根幹はどこにあるのか

これを、教える側がしっかりと捉えられないようでは話になりません。

なぜなら、そこを正確に捉えていないと、相手が聞きたいこととはズレた説明をしてしまう恐れがあるからです。

説明の仕方がいくら素晴らしくても、内容がズレていたら何の価値もありません。

むしろ、

「私が聞きたいのはそういうことじゃないんだけど、、、」

ということになり、
質問者さんへ無駄なストレスを与える結果となり逆効果です。

ズレた説明をするくらいなら何もしないほうがマシです。

そうならないためには、説明を開始する前に、まずは相手が質問したい内容を的確に把握することが大切なのです。

〈2〉あくまでも質問者さんのペース

二つ目に、相手のペースに合わせるということを挙げたいと思います。

これ、意外に難しいことなんですよね。

相手のペースに合わせる

これは単純に喋るスピードについても言えますし、
何より、説明進み自体を相手に合わせることが重要です。

どんなにスラスラと話ができても、相手を置き去りにしている説明は論外です。

ハッキリ言って、質問している側は、教える人に口の巧さなどほとんど求めていないのです。

それよりも、質問者の方にとって理解しやすい言葉をじっくりと選び、必要に応じてペースを落とし、時には相手の方の感情に共感しながら進めていくことが重要です。

メールやメッセージなどの文章によるやり取りならまだしも、口頭での説明で、質問者の方の理解度に合わせられないのは非常にマズいと思います。

〈3〉質問者さんの簿記の解釈を理解するように努める

次に、相手の解釈や捉え方を理解することについてお話しします。

簿記という学問は、一つの会計処理について様々な解釈の仕方が存在する場合があります。

解答としてはもちろん一つなのですが、そこに行き着くまでの道筋が複数あるというようなイメージです。

簿記講師がやってしまいがちなこととして、

自分が持っている解釈以外を受け付けない

というものがあります。

これは、特に受講生の方から質問されたときによく起こります。

一つの処理について、A、B、Cの3つの捉え方が存在し、どの捉え方も間違いではないという場合があります。

こういう場合は基本的に、AもBもCも本質的には同じケースがほとんどです。

で、講師の側がAの捉え方をしていて、生徒の側がBの捉え方をしているみたいなことが稀にあるわけです。

この状況で受講生からその論点について質問された場合、理解が追いつかない講師は非常に多いです。

受講生としてはBの解釈を採用していますので、Bの考え方をベースに質問をします。

ですが講師はAの解釈を採用しているため、互いの会話が噛み合わなくなるのです。

理想論で言うなら、

「先生だったらA、B、C全ての捉え方を理解しとけよ」

という意見もあるかもしれませんが、これがなかなか難しい。

なぜかと言うと、A、B、Cのどの捉え方も正解である以上、どれか一つでも知っていればなんら支障は出ないからです。

どれか一つの捉え方さえ理解していれば、それによって問題は解けるし、試験にも合格できます。

人に教えることだってできてしまうわけです。

だから、Aという捉え方を一つ理解した時点で、

「もうその論点はマスターした」

と感じているわけですから、BやCという発想自体が出てこないのはごくごく自然なことと言えます。

このような状況において講師がやりがちなのは、受講生が主張してきているBの解釈を無視し、一方的にAの説明をかぶせてしまうことです。

実際にはAもBもどちらも正しいにもかかわらず、受講生側が持つBの解釈を間違ったモノだと決めつけ、無視してしまうのです。

どちらかというとベテランの講師にありがちかもしれません。

まぁ、無視しているという自覚は全くなく、むしろ、

間違った解釈をしている受講生に、正しい解釈を教える

という気持ちでやっている場合がほとんどだと思います。

ただ、受講生さんの立場からすると、自分の持つBという捉え方についての共感が得られないことによって不完全燃焼の感覚が残り、理解の妨げになります。

それだけでなく、

  • 理解しようとしてくれない講師
  • 話の通じない講師
  • 頭の固い講師

と判断し、その講師を心の中で見限ってしまう場合すらあると僕は思っています。

そして、

  • 理解しようとしてくれない講師
  • 話の通じない講師
  • 頭の固い講師

というのは、実際その通りなのです。

自分が持っている解釈以外を受け付けない

という姿勢は、

  • 相手を理解しようとする思考とは対極にあり、
  • そしてそれは話の通じない人間に成り下がる態度でもあり、
  • なおかつ、最強に頭の固い人間がやること

だからです。

よって、こういう講師は、受講生にとって百害あって一利なしです。

ですから、自分がしている解釈とは別の解釈を理解しようとすることが本当に本当に重要だと考えています。

もちろん、受講生の方が本当に間違った解釈をしている場合は、そのことをしっかりと伝えるのは当然です。

ただ、そうではなく、自分の捉え方と違うだけであって、本質的に意味していることが同じであれば、自分とは別の捉え方も受け入れなければなりません。

人間の感覚は本当に千差万別で、一つの物事であっても、そこには様々な解釈が存在します。

自分の持つ解釈を一方的に喋るだけなら誰でもできますから、単に説明が上手いだけの講師に僕は価値を感じません。

〈4〉自分の簿記の解釈と違うからといって思考停止しない

これは先ほど話したことと関連するのですが、自分とは違う解釈に触れた時に思考停止しないことです。

質問者さんへの説明において、

相手の捉え方を無視してしまう

のも、

自分の捉え方を押し付けてしまう

のも、

結局のところ、講師自身が思考停止しているからこそ起こります。

講師というのは基本的に、

  • 教える
  • 説明する

のマインドが100%の状態で受講生の方と接します。

それが仕事なのですから当然と言えば当然です。

別に悪いことだとは思いません。

ですが、この状態というのは、

  • 自分の知らないことについて思考する
  • 新しく何かを学ぶ

というマインドとは真逆の状態にあります。

なので、この時に急に新しい考え方をしなければならない出来事が起こると、不意をつかれた形となります。

それゆえ、相手の言い分を受け入れるという姿勢に切り替えることができず、悪気は無いにせよ、結果的に受講生さんの捉え方を無視することとなってしまうわけです。

よって僕自身は、

  • 教える
  • 説明する

というマインドを基本としつつも、一方で、

「突然イレギュラーな質問が飛んでくるかもしれない」

と考えるようにしています。

そうすることで、受講生の方に対して柔軟に対応ができるようになるからです。

〈5〉質問者さんのリアクションに細心の注意を払う

最後に、相手の反応・リアクションに注意しておくことです。

これもめちゃくちゃ大事です。

こちらが説明している途中において、受講生の方は割と正直にリアクションをしてくれます。

  • 説明を理解できているのか否か
  • 説明に納得できているのか否か

これらをよく観察しながら、あくまでも相手の方のペースで進めていかなければなりません。

相手の方のペースに合わせるためには、反応に注意を払うことが必要不可欠です。

受講生さんがこちらの説明についてこれていないようなら、必要に応じて、

  • ペースを落とす
  • もう一度同じ説明を行う
  • 説明の仕方を変える
  • 少し前まで戻って説明し直す

などを行うようにしています。

受講生の方が理解できなければ、講師の上手い喋りなど、なんの価値も無いわけですからね。

【結論】質問している人の感覚に立つ

色々書きましたが、短くまとめるなら、

  • 相手の立場に立つ
  • 相手の感覚に立つ

ことが全てだということです。

これをあらゆる場面で徹底することができれば、生徒さんにとって有益な説明ができると僕は信じています。

自分が見えている景色

と、

相手の方が見えている景色

は当然違うわけです。

相手の方が今どんな景色を見ているのか

これを想像し、その景色を見ている人にとって最も理解しやすい情報の与え方を常に考えていないといけません。

人にモノを教えるのが苦手な人は、

相手が見ている景色を想像する

が致命的に苦手です。

全てにおいて自分視点でしか物事を考えることができていないからこそ、

  • 自分にとって分かりやすい説明
  • 自分にとって言いやすい表現

ばかりをしてしまい、
結果、相手にとって非常に分かりにくい説明となってしまいます。

人にモノを教えることには常にリスクが付きまといます。

それは相手の理解の邪魔をしてしまうリスクです。

説明の仕方が悪いと相手を混乱させてしまい、かえって逆効果になることがあります。

質問サイトや掲示板などで、簿記についての質問をよく見かけますが、質問に対する回答を見ていると、

「多分これは逆に分からなくなるだろうな」

と思ってしまうことような回答が結構あります。

分かりにくい説明をするくらいだったら何も説明しないほうがマシです。

相手の方の感覚に立ち、相手の方が見ている景色を想像する

これを常に意識し続けることで、分かりやすく教えることが自然にできると僕は信じています。

それでは、今回の記事は以上です。

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