簿記の資格を目指して勉強を始めたものの、思うように進まずに心が折れてしまう人は非常に多いです。
簿記の勉強に挫折する人が最も多いのは、学習し始めの初期の頃だと思います。
本当に最初が一番しんどいです。
もちろん僕もそうでしたし、僕の生徒さんに聞いても、やっぱり最初が一番苦労したと言っています。
その原因として大きいのは、簿記という学問の特殊性です。
簿記の勉強においては今までの人生でしたことのないような考え方をしなくてはいけません。
全く経験の無い未知の分野に踏み込むのですから、苦労して当然です。
ですが、正しいやり方でそれなりの時間を使って練習をすれば、多少の苦労はあるにせよ本来なら誰でも習得できる学問でもあります。
逆に、途中で挫折してやめてしまったり、何ヵ月も学習が進まないなどの状況に陥っている人は、勉強の仕方を間違えている可能性が高いです。
その代表的なものとしては、以前こちらの記事で書いた【テキストの順番通りに学習を進めてしまう】ですが、挫折につながる間違った勉強の仕方は、これ以外にもまだまだ存在します。
そこで今回は、間違った学習法を4つに絞ってお話ししたいと思います。
なお、僕がこのブログやYouTubeで一貫して言い続けていることですが、
「自分には向いていない」
「才能が無いからダメだ」
と考えるのはやめてください。
上手くいかない原因を才能などに求めてしまうと、何も生まないばかりか、全く行動しなくなってしまいます。
それに、そもそも才能など必要無いですし。
やり方を間違えていたら上手くいかないのは当然なので、これから書く4つに当てはまっていないかどうか注意深く読んでください。
読むだけで問題を解いていない
一つ目は、テキストや問題集を読むだけで実際に問題を解くという作業をしないです。
具体的には、
- テキストを読んで内容を覚えようとしたり理解しようとする
- 既に解答が記入されている一度解いた問題集を見て、復習しようとする
などをやるだけの状態です。
これではあまり実力は上がりません。
全く効果が無いわけではありませんが、実際に問題演習をすることに比べると、残念ながら効果は半分以下でしょう。
理由としては、学習が受動的になってしまうというのが大きいです。
読むという行為はあくまでも受け身であって、自分から答えをひねり出すような積極的な姿勢ではありません。
効果的な勉強は、書いてあることを読むのではなく、空欄に何を書けばいいかを自分で考えるという行為です。
なぜなら、本試験でやることがそれだからです。
当然ですが、本試験でやらなきゃいけないことは、既に書いてあることをチェックすることではありません。
本試験でやることは、何も書いていない真っ新な解答欄に、自分の頭で考えた答えを記入するということです。
本試験でやることを練習でもやるべきです。
読むという行為だけだと、知識はそれなりに付くのかもしれませんが、スピードと正確さはなかなか身に付けることができませんからね。
また、読んでいるだけだと集中力が高い状態を保ちにくいというのも大きいです。
インプットも大事ですが、どちらかというとアウトプットの回数をどれだけ繰り返したかで実力が決まりますので、『読む』より『解く』を中心に行いましょう。
一度しか解かない
二つ目は、持っている問題集などを一度しか解かないです。
こういう人はかなり多いです。
一回解いただけでは、その問題で得られる知識をガッチリと習得できることは稀です。
ですから、何度もやってください。
自分が一度解いた問題はもうやりたくないという気持ちは分かりますし、現実として、「この問題は前やったし、どうせなら別の問題をやりたい」と感じる人が多数だと思います。
別の問題集などを購入して練習するのならそれでもいいと思います。
ただ、それをやるとまたお金がかかってしまいますし、実際問題、市販の問題集の内容は正直どれも似たり寄ったりです。
わざわざ別の問題集を買わなくても、既に持っているものを繰り返し解けば、同等の効果は得られます。
なので、問題集を一つしか持っていない場合は、最低3回は同じ問題を解くことをオススメします。
同じ問題を繰り返しやるためには、その問題の答案用紙をコピーする必要があります。
一度解いてしまうとそれができなくなってしまうため、
- T勘定
- 商品有高帳
- 精算表
- 貸借対照表、損益計算書
などのような、表を埋める系の問題に関しては、コピーなどをして実施したほうがいいと思います。
既に書き込んだ答案用紙を消しゴムで消して再利用するとかはさすがにダルすぎますからね。
また、その教材の会社のホームページからダウンロードして印刷ができることが多いですので、パソコンとプリンターをお持ちの場合は、そこから印刷して利用することもできます。
なお、仕訳問題であれば、まっさらな紙を用意すれば何度でも練習ができるわけですから、答案用紙が無くても大丈夫だと思います。
本当に何度も何度も解いてください。
間隔としては、1度目に解いてから3日も空ければ、もう答えは忘れているでしょうから、そのくらいのタイミングで2度目を実施したらいいと思います。
1~2週間空けてもいいです。
さすがに今日やった問題を今日もう一回やるとかだと、答え自体の記憶が残っていて、「この答えなんだったっけ?」という間違った方向に思考が向いてしまう可能性がありますので、数日間は空けるほうがいいかもしれませんね。
まぁ僕の場合は、一度やって間違えたときは、悔し過ぎてムキになって数分後にもう一度やってましたけどね。笑
学習の間隔を空け過ぎてしまう
3つ目として、勉強する間隔を空け過ぎる、つまり勉強の頻度が低すぎるということです。
理想は毎日コツコツとやることです。
それが最も効率がいいです。
ただ、社会人であれば時間が取れない日もあると思いますので、一日置きくらいでも問題無いかと思います。
空けても3日間くらいまでですね。
一週間だと空け過ぎです。
だいぶ忘れてしまいます。
勉強しない期間が長く続くと、せっかく覚えたことや理解したことをほぼ忘れてしまいます。
そうなるとまた最初からやり直しで、一度やった内容をまたゼロからやらなければならなくなって、もの凄く非効率なんですよね。
ですから、理想は毎日、無理な場合でも一日置きくらいでやるようにしましょう。
圧倒的に練習量が足りていない
最後に、圧倒的に練習量が足りていないということです。
まぁ最終的にはこれが全てのような気もします。
検定に合格できない人は、単純に練習不足、経験不足というケースが非常に多いです。
本試験というのは決められた時間内で合格点を取らなくてはいけません。
日商簿記3級であれば、60分間で70点です。
よって、いくら知識があろうと、
- 時間内に解き終えるスピード
- ミスをしない正確さ
が無ければ合格することはできません。
知識を付けることと同じくらい重要なのが、慣れです。
その作業に慣れていないと、知識自体は頭に入っていたとしても、実際に問題を解こうとしたときに手が止まってしまい、そこで時間を奪われます。
その作業に慣れていないと、「よし、解けた!」と思っても、ケアレスミスをして点数を落としてしまいます。
簿記の問題を解くというのはある意味スポーツと同じなので、知識があるだけではダメなのです。
自分は簿記に向いていないとか、才能が無いから合格できないとかを考える前に、普通に練習不足という可能性を考えてみて下さい。
ということで、上達しない人がやりがちなことを4つお話ししました。
まとめますと、
- 読むだけで問題を解いていない
- 一度しか解かない
- 勉強の間隔を空け過ぎてしまう
- 圧倒的に練習量が足りていない
です。
なかなか上達しなくて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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