【なぜ問題を解くのが遅いのか?】スピードアップのコツ4つ(簿記3級)

その他

この記事では、簿記の問題を解くのに時間がかかってしまう原因を4つお話しします。

簿記の問題には、

  • 仕訳
  • 試算表
  • 精算表
  • 貸借対照表、損益計算書
  • 各帳簿等

など様々な形式の問題がありますが、どんな種類の問題でも共通したスピードアップのコツがあります。

問題を解くのに時間がかかりすぎて悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。

【原因1】知識が完全に定着していない

まず最初に、知識が完全に定着していないことが挙げられます。

なかなかスピードアップしない方の大半はこれに該当するのではないかと思います。

知識が完璧に頭に入っていないせいで、一つ一つの処理をやろうとするたびに、基礎知識を思い出すことに時間と労力を割かれてしまうのです。

問題文を読んだときに、

「えぇっと、これってどうやるんだっけ、、、たしか、、、」

となってしまうと、これだけでタイムロスをします。

また、そのような状態だと、問題文を繰り返し読まないと理解ができないことが多く、問題文を読むことに対しても必要以上に時間を奪われます。

反対に、基礎知識が完璧に定着している方は、よほどの応用問題でもない限り、問題文を読んだ瞬間に答案を書き込めたりします

この差は非常に大きいです。

基本的な処理をしっかりできることはスピードアップには必須なので、問題文を読んだらすぐに手が動くように、記憶を濃くしておきましょう。

【原因2】単純に問題を解くという作業に慣れていない

二番目として、その作業に慣れていないというのがあります。

これは物凄く単純なことではありますが、解くスピードに重大な影響を与える非常に大切なことです。

仕訳にしろ精算表にしろ帳簿にしろ、
どんな種類の問題であろうと、それに慣れていないと早く解くことはできません

仮に、さきほど【原因1】で説明した『知識の定着』がしっかりできていたとしても、解き慣れていなければ、スピードアップはあまり期待できないのです。

そういうことからしても、やはり簿記という分野は、反復練習無しに上達するのは極めて難しいと言えるでしょう。

僕の生徒さんを見ていても、圧倒的な数の演習を重ねている方々は、みな例外無く上達しています。

逆に、問題を解く練習が不足していることによって、センスとしては良いものを持っているにもかかわらず、本試験に合格できない方がいます。

簿記は才能だけに頼っていてはダメだということです。

【原因3】意味合いを理解していない

次に、意味合いを理解していないについてお話しします。

これは主に【応用問題】を解く速度に関係する要素で、基礎知識の意味合いをどれだけ深く理解しているかということです。

ここの理解が浅いと、応用問題を解こうとしたときに、とんでもなく時間がかかるか、もしくは全く手も足も出ないこともあり得ます。

なぜなら、難問を解くのに必要な、【頭をひねる】がスムーズに行えないからです。

応用問題を解くためには、持っている基礎知識を活用する必要があります。

基礎知識が部品だとしたら、応用問題を解くというのは部品を組み合わせて作品を作ることです。

ということは、部品の質が悪ければ、作品の完成度も当然悪くなります

あるいは、仮に部品を持ってすらいなければ、そもそも何もできないということになるわけです。

本試験には基礎問題も出題されますが、応用問題も相当数出ますので、ある程度以上の難易度の問題を素早く解くには、パターン学習ではなく意味合いを理解することは絶対に必要です。

【原因4】読解力、速読力が低い

四つ目に、読解力と速読力についてお話しします。

これはつまり、

  • 文章を理解する能力
  • 文章を読む速さ

のことで、簡単に言うと国語力です。

僕が昔通っていた資格学校のクラスに、この能力が凄まじく高い奴がいました。

そいつとは日商簿記1級や税理士試験の勉強の際も同じクラスだったのですが、問題を解くスピードがとんでもなく速かったです。

簿記の実力以前に、そもそもの、

  • 読解力
  • 速読力

が、ずば抜けており、日商簿記1級や税理士試験のような超難問の文章ですら、一発で理解できると言っていました。

それも、短時間で。

同じ授業を受けて、同じように勉強していたわけなので、僕とそいつの知識レベルにはほとんど差はありませんでした。

にもかかわらず、問題を解くスピードは僕の倍くらいありました。

ということで、文章を読むのが得意かどうかは簿記の演習の早さにもかなり関係します。

ただ、この能力に関しては、簿記の知識云々という話ではなく根本的な国語力なので、簿記検定のために改善を図るのは現実的ではないかもしれません。

数ヶ月、あるいは年単位での訓練によってようやく身に付くものでしょうからね。

まぁ、普段から読書の習慣がある人なんかは、活字を読むのが得意かもしれませんね。

4つのうちのどれを改善するか

まとめると、

【原因1】知識が完全に定着していない

【原因2】単純に問題を解くという作業に慣れていない

【原因3】意味合いを理解していない

【原因4】読解力、速読力が低い

となります。

では、この4つの中でどれを優先的に改善すればいいのか?をお話しします。

真っ先にやってほしいのは、

【原因1】知識が完全に定着していない

【原因2】単純に問題を解くという作業に慣れていない

です。

この2つは、やればやるほど凄まじい効果を得られます。

また、比較的早く結果として現れます。

【原因1】知識が完全に定着していない

に関しては、知識が不安定なせいで、『思い出し作業』に時間を奪われるということなので、そこを改善することによって反応速度は確実に上がります。

『うろ覚え』を『確実な記憶』にすればいいだけなので、これを改善しないのは本当にもったいないです。

【原因2】単純に問題を解くという作業に慣れていない

に関しても、とにかく数をこなせばいいだけなので、誰にでもできることです。

僕はリアルでも簿記を教えていますが、生徒さんの中には、

「問題集をもう一度やりたいので、コピーをください」

とか、

「別の問題はありませんか?」

という要求をしてくる熱心な方がいます。

誇張でもなんでもなく、そういう生徒さんは他の生徒さんと比べると、2倍、3倍の問題演習をこなしています。

僕の経験上そのような生徒さんで結果が出なかった人は一人もいません。

習うより慣れろ

僕はこの言葉はあまり好きではありません。

なぜなら、習うより慣れろを実践すると、『パターン学習』に走ってしまう恐れがあるからです。

僕はリアルの講義でもYouTubeでもブログでも、『パターン学習』は基本的にオススメしていません。

また、学問を習得することに対する僕の信念としても、思考停止でひたすら問題を解くという学習法には賛成できません。

ですが、何度も繰り返して『その作業に慣れる』ことは、最も単純にして最も効果的な方法だというのは、僕の個人的な好き嫌いとは関係なく、どうしようもない事実なのです。

もしもあなたがスピードが上がらなくて悩んでいるのなら、

「練習量が足りないのではないか?」

と自問自答してみてください。

【原因1】【原因2】の次に改善してほしいのが、

【原因3】意味合いを理解していない

になります。

これは、基本問題を解く時に、問題が解けたからOKとするのではなく、しっかりとその処理の意味を考えることが重要になります。

市販の教材だけでは深い理解には達しないことも多いので、このブログや僕のYouTubeをぜひ参考にしてほしいと思います。

最後に、

【原因4】読解力、速読力が低い

についてですが、これは基本的に短期間でのレベルアップは不可能なため、無理に改善しようとはしないでください。

【原因1】【原因2】【原因3】をキッチリやれば、それだけで充分スピードは上がります。

【番外編】実はあまりスピードには関係がないこと

最後に、本題とはズレるかもしれませんが、解くスピードに実はあまり関係が無いことについてお話しします。

これは、一見すると簿記の演習速度に大きな影響を与えると思われがちなことです。

特に簿記3級を勉強している人は、

「もっと上手くなりたい」

「もっと速くなりたい」

と思う人が多いです。

見た目のインパクトが強いので余計そう思われることが多いです。

これが上手くて速いと、なんとなくプロフェッショナル感が出ますから。

ですが、僕の個人的な意見としては、演習速度にはさほど影響はありません

全く関係無いわけではありませんが、簿記学習者の方が思っているほどの影響はありません。

それは、電卓の速さです。

世の中には鬼のような速さで電卓を打てる人がいます。

手元を一切見ずに凄まじい速度で電卓を叩いている姿は、かなりのインパクトを与えます。

なので、

「電卓をもっと速く打てるようになりたい」

「電卓が速ければ問題を解くスピードも上がる」

と考える人は多いです。

もちろん、遅いよりは速いほうがいいです。

それは当然です。

ただ、電卓の【速さ】にはそこまでの重要性はありません。

(正確さは非常に重要です)

実際、冷静に考えると簿記の問題を解くトータルの時間のうちに電卓を打つ時間が占める割合はそれほど高くありません

電卓を操作している時間よりも、文章を読んでいる時間や考えている時間のほうが圧倒的に長いです。

スピードアップのために一生懸命電卓を速く打とうとしている方がいますが、電卓の速さは、解くスピードにはさほど影響しないということを覚えておきましょう。

逆に言えば、電卓が遅い人は、無理して速く打とうとしなくても良いということです。


ということで今回は、スピードアップのコツについてお話ししました。

近年の日商簿記検定は、昔よりも時間が厳しくなっていますので、知識はあるのに時間が足りなくて落ちる人が物凄く多い印象があります。

スピードを意識して演習を重ねてください。

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