借方、貸方に意味はあるのか?
結論から言うと、「借方」「貸方」という言葉に意味はありません。
単に、借方は左側、貸方は右側というだけです。
借方・貸方は、簿記の勉強を始めたばかりの人がまず最初に目にする言葉ですが、この呼び名のせいで、凄まじい数の簿記初心者が苦しんだことでしょう。
僕自身も例外ではなく、初心者時代には「借方」「貸方」という名称によってかなり苦しめられました。
たぶん、今この記事を読んでいるあなた以上に徹底的に悩みました。
縁があってこのブログに辿り着いたあなたには、僕と同じような苦しみは絶対に味わってほしくないのでもう一度言います。
借方、貸方という呼び方に意味はありません。
なぜ左を借方と呼ぶのですか?という質問は、
「なぜ英語では左をleftと言うのですか?」
と聞いているのと同じです。
簿記の世界では借方は左側、貸方は右側と呼んでいるというだけの話です。
なぜ多くの人が借方、貸方で悩むのか?
借方、貸方という名称が簿記初心者を大混乱に陥れる大きな原因の一つとして、「借入金」と「貸付金」があります。
「借入金」「貸付金」は仕訳で使う勘定科目で、「借入金」は借りているお金(借金)という意味で負債、「貸付金」は貸しているお金という意味で資産です。
- 借入金=負債
- 貸付金=資産
ここで大きな勘違いが起こります。
借方という用語と、「借入金」という勘定科目が、関連性があるのではないか?と考えてしまうこと。
さらに、貸方という用語と、「貸付金」という勘定科目も、同じく関連性があるのではないか?と考えてしまうことです。
全国にいる全ての簿記学習者に聞こえるくらい声を大にして言いたいです。
全く関連性はありません!
借方や貸方という言葉には、借りるや貸すという意味は一切ありません。
借方と「借入金」の関連性を意識してしまうとドツボにハマります。
なぜなら、借方は左側を表すのに対し、「借入金」は負債で右側のポジションとなる勘定科目だからです。
そのせいで、借入金は負債なのに、なぜ借方は左側を表すのだろうか?とか、借方は左側なのに、なぜ借入金は右側なのか?というような、何の意味もないことを考えてしまいます。
そしてこれは、貸方と「貸付金」でも同じことが起こります。
貸方は右側を表すのに対し、「貸付金」は資産で左側のポジションとなる勘定科目です。
貸付金は資産なのに、なぜ貸方は右側を表すのだろうか?や、あるいは、貸方は右側なのに、なぜ貸付金は左側なのか?というような、これまた無意味な思考が脳内で展開します。
こういったことに思考を巡らせるのはマジで時間の無駄なので、借方、貸方について深く考えるのはこの記事を読んだのを最後に今後一切やめてください。
なぜ、借方、貸方と呼ぶのか?
借方、貸方という名称がついた由来について調べてみても、どうも諸説あるようでハッキリとしたことは分かりません。
昔のイタリアが発祥だとか、福沢諭吉が決めただとか、結構色々な情報が出てきます。
まぁなんにせよ、かなり昔からそう呼ばれているみたいです。
僕自身はそういったことにあまり興味が沸かないので深追いはしていませんが、まぁどうしても由来が気になる人はもっと深く調べもいいとは思います。
ただ、由来なんてのは簿記の本質とは全く関係ことないですから、そこを追及しても簿記の勉強には役に立たないので、ほどほどのところで止めておくことをオススメします。
個人的には、借方、貸方という名称自体を廃止すべきだとさえ思っています。
正直、こんな名称を付けていても簿記初心者を混乱させる以外何の効果もありません。
つまり、メリットゼロです。
これは簿記3級だけでなく、2級や1級、あるいは税理士試験や公認会計士試験に進んだとしても同じことです。
どんなに簿記の上位級に進もうが、借方、貸方という呼び方に意味など出てきません。
借方、貸方の覚え方
とはいえ、試験問題等では当たり前のように借方、貸方と呼ばれて出題されますので、覚えないわけにはいきません。
そこで、どうしても覚えられない方のために、ものすごく有名な覚え方を紹介します。
下の画像を見てください。
かりかたの『り』は左方向に向かってはらいます。
かしかたの『し』は右方向に向かってはらいます。
ってことで、 借方は左側、貸方は右側となります。
子供だましのような覚え方ですが、どんなやり方であれ覚えられれば良いんです。
どうせ意味なんて無いんですから。
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