費用と収益はどんなときに発生するのか?
基本的に、費用・収益の発生というのは、資産・負債の増減があったときに起こります。
さらに限定すると、資産・負債の増減があり、かつ、代わりに増減する資産・負債・純資産が無い場合に費用、収益が発生します。
まぁこれだけの説明だと絶対に意味不明だと思うので具体例を出します。
次の例を見てください。
【例1】銀行から100円を借り入れた。
仕訳は次のようになりますね。
(現金) 100 (借入金) 100
借方に現金がきていますので、現金が増加しています。その代わりに借入金が増加しています。
現金が増加した代わりに増減するものがあるので、費用・収益は発生しません。
もう一つ例を見ていきましょう。
【例2】現金120円を当座預金に預け入れた。
仕訳は次のようになりますね。
(当座預金) 120 (現金) 120
当座預金が増加していますが、その代わりに現金が減少していますので、費用・収益は発生しません。
では次の仕訳はどうなるでしょうか?
【例3】利息150円を現金で受け取った。
現金で受け取っていますので、借方が現金150円というのはすぐに分かるでしょう。
では貸方は…?
現金を受け取った代わりに、資産・負債・純資産が増減しているでしょうか?
してないですよね。
受け取った150円はそのまま儲けであることが分かります。
じゃあどんな仕訳になるのかというと、、、
(現金) 150 (受取利息) 150
となります。
※受取利息は収益です
受取利息という勘定科目を知っていたかどうかは問題ではありません。
貸方にくるのが収益項目だと分かったかどうかが重要です。
それが分かった方は簿記の感覚が身に付いていると言っていいでしょう。
ではでは次いきましょう。
【例4】備品80円を盗まれた。
備品が無くなっていますので、貸方が備品80円というのはすぐに分かるでしょう。
では借方は…?
備品を失った代わりに、資産・負債・純資産が増減しているでしょうか?
してないですよね。
失った備品80円はそのまま損失であることが分かります。
ってことでどんな仕訳になるのかというと、、、
(雑損) 80 (備品) 80
となるわけです。
※雑損は費用です
これまた雑損という勘定科目を知っていたかどうかは問題ではありません。
借方にくるのが費用項目だと分かったかどうかが重要です。
じゃあ最後に応用問題です。
【例5】備品80円を60円で売却し、代金は現金で受け取った。
備品が無くなっていますので、貸方が備品80円というのはすぐに分かるでしょう。
(これについては【例4】と同じ)
それからもう一つ、すぐに分かることがあります。
60円を現金で受け取っていることです。
なので借方に現金として60円がきます。
よってこの時点での仕訳はこうなります。
(現金) 60 (備品) 80
そして、このままではダメですよね。
仕訳のルールとして貸借一致というものがあります。
借方合計と貸方合計は同じ金額でなければならないというものです。
ただそんなルール以前に、これだけだとなんか違和感がありませんか?
なんて言うか、これで済むわけがない、みたいな。
そうです、差額の20円です。
80円の物を60円で売っているので差額の20円分は損しているんです。
20円損したんだという意味合いが、仕訳に含まれていないとおかしいわけです。
なので解答の仕訳は、
(現金) 60 (備品) 80
(備品売却損) 20
となります。
※備品売却損は費用です
今回も、備品売却損という科目を知らなかったとしても全く問題ありません。
差額の20円が費用項目として借方にくるということが分かっていたかどうかが重要です。
今回のケースは、まず備品が無くなっています。
そして、その代わりに現金が入ってきています。
しかし、代わりに入ってきた現金では金額が足りなかったのです。
その足りない20円が費用として借方に計上されるわけです。
費用という要素は、コストとか経費みたいなニュアンスのときもあれば、今回みたいに『損』みたいな意味合いのときもあります。
【例4】と【例5】の二つを見て気付くこと
【例4】と【例5】を見比べると気付くことがあります。
【例4】では備品80円を盗まれました。
だから 80円まるまる損をし、その分の費用を仕訳で計上しました。
【例5】では80円の備品を60円で売りました。
だから20円損をし、その分の費用を仕訳で計上しました。
ではたとえば、80円の備品を0円で売ったらどうなるでしょうか?
答えは、
(備品売却損) 80 (備品) 80
です。
80円まるまる費用が計上されました。
よって、【例4】と同じような仕訳となるわけです。
(費用の勘定科目は違いますが、費用が80円という意味では同じです。)
まぁ実際タダで売るなんてあり得ないのでこんな仕訳をきることはありません。
でも考え方としては正しいのです。
タダで売った場合と盗まれた場合を比較すると、損得という意味では全く同じなのですから。
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