簿記の目的は2つ
簿記の目的は2つあります。
一つ目は、儲けの計算です。
二つ目に財産の計算です。
一つ目、二つ目と言っていますが、特に順番は決まっていません。どっちが先でも良いです。
で、これら2つの目的を果たすための書類が2つありまして、それが、損益計算書と貸借対照表です。
- 儲けを表す(説明する)のが損益計算書
- 財産を表す(説明する)のが貸借対照表
となります。
儲けを表す損益計算書
儲けは1年間で計算する
まず、目的の一つ目の儲けの計算についてお話します。
儲けは必ず1年間で計算します。
(もっと短いスパンのときもありますが、それは簿記1級とかで関係する話なので今は考えなくていいです)
この1年間のことを会計期間といいます。
会計期間については別の記事で詳しく説明していますが、今はとにかく、儲けは1年ごとに計算するんだと分かっていれば大丈夫です。
収益と費用
で、儲けを計算する上で知っておかなければならない要素として、収益と費用があります。
収益というのは、資産が増えた理由です。
一方、費用というのはその逆で、資産が減った理由です。
- 収益=資産が増えた理由
- 費用=資産が減った理由
(厳密に言うとこの説明だけでは不十分ですが、あなたが簿記の勉強を始めたばかりという前提で説明していますので、まずはこのイメージを持ってください。また、収益と費用についてはこちらの記事でもっと詳しく説明していますのでそちらも参考にして下さい。)
資産というのは日々、増えたり減ったりします。
資産で分かりやすいのは現金ですが、現金というのは物を売れば増えるし、買えば減ります。
あとは、例えば電気代を払ったりしても減りますね。
それを1年単位で計算するということです。
- 1年間の収益(資産が増えた理由)はいくらか?
- 1年間の費用(資産が減った理由)はいくらか?
をそれぞれ計算します。
収益と費用の差額=儲け(当期純利益)
そして、収益と費用の差額が儲けということになります。
ちなみに、この儲けのことを当期純利益といいます。
ここで重要なのは、儲けとは、今資産がいくらあるかではないということです。
あくまでも、1年間で資産がいくら増えて、いくら減ったのかという増減額で儲け(当期純利益)は決まります。
損益計算書
そして、1年間の収益と費用とその差額を載せた書類を損益計算書と呼ぶわけです。
損益計算書は以下のような形です。

右側(貸方)に収益を載せ、左側(借方)に費用を載せます。
そしてその差額が当期純利益として表示されます。
なお、上の図は当期純利益(儲け)が出ている場合の損益計算書ですが、逆に損が出てしまうケースもあります。
それはどういうときかと言うと、収益より費用の方が大きい場合です。
その場合の両者の差額を当期純損失といいます。
当期純損失が出ている場合の損益計算書はこうです。

当期純利益の場合にしろ当期純損失の場合にしろ、損益計算書で表す情報というのは、言ってみれば会社の成績なわけです。
なので、損益計算書は企業の一定期間の経営成績を表す、なんて言われたりします。
財産を表す貸借対照表
簿記のもう一つの目的は、財産を表すことです。
プラスの財産を資産、マイナスの財産を負債といいます。
そして、資産から負債を差し引いた金額がその会社の価値なわけですが、それを純資産といいます。
あとで説明しますが、資産、負債、純資産を載せた書類を貸借対照表といいます。
資産とは
資産とは、価値のあるもの全てだと思ってください。
例を挙げると、お金、貯金、車、家、パソコンなど。
ちなみにそれらの資産を簿記の言葉で表現すると、
- お金 ⇒ 現金
- 貯金 ⇒ 普通預金や当座預金
- 車 ⇒ 車両
- 家 ⇒ 建物
- パソコン ⇒ 備品
という言葉を使います。
なお、赤い文字で表した現金、普通預金、当座預金、車両、建物、備品などの言葉を『勘定科目』といいます。
話が脱線しましたが、とにかく資産とは価値があるもの、つまりプラスの財産だと思ってください。
負債とは
一方で、負債とはその逆で、マイナスの財産です。
だから、負債は簡単にいうと借金のことです。
負債=借金みたいなものという理解で充分です。
簿記3級だけでも色々な負債が登場しますが、どれも借金的な意味があるものばかりです。全てと言ってもいいかもしれません。
純資産(資本)とは
純資産とは会社の価値を表す要素です。
純資産はホントに掴みづらい概念なので、今はこの程度の理解で良いような気がします。
簿記の参考書なんかには、純資産は資産と負債の差額と書いてあったりしますね。
ちなみに、純資産のことを資本ともいいます。
(厳密には純資産と資本は微妙に違うのですが、簿記3級までであれば同じと考えて問題ありません。)
貸借対照表
資産、負債、純資産(資本)という3つの要素を載せた書類を貸借対照表といいます。
下のような形です。

左側(借方)に資産を載せ、右側(貸方)に負債と純資産を載せます。
なお、右側(貸方)は必ず、上が負債で下が純資産です。
また、
資産=負債+純資産
という関係性が成り立ちます。
少し難しい言葉ですが、資産、負債、純資産で表す内容のことを財政状態といったりします。
そして、貸借対照表はいつの時点の情報なのかというと、1年間の最後の日です。
企業の1年間の最後の日の状態がどうであるかを貸借対照表によって説明するということです。
なので、参考書なんかには必ず書いてある言い回しですが、貸借対照表は企業の一定時点の財政状態を表すと言われます。
まとめ
【損益計算書】
・企業の1年間の成績を表す
・収益、費用を載せる
【貸借対照表】
・企業の1年間の最後の日の状態を表す
・資産、負債、純資産を載せる
となります。
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